イベントレポート <4>


  特別カーテンコール、リハーサル見学会や、
  ミュージカル俳優さんのイベントの様子を紹介します。

シャンデリア



浅利慶太さんお別れ会


日時 : 2018年9月18日
場所 : 帝国ホテル

 2018年7月13日、劇団四季の元代表で演出家の浅利慶太さんが亡くなられました。
帝国ホテル『孔雀の間』でお別れ会が開かれました。
浅利さんが長く携わった日生劇場の隣ですね。

冊子 一般の人は、14時からとのことですが、ロビーには関係者と思しき方々がまだいらしたので、
関係者はその前の時間に行われたようでした。
後の報道によると、森喜朗元首相、加賀まりこさん、市村正親さん、石丸幹二さんらも参列されたそうです。
ロビーには、記帳のテーブルがずらり。記帳は名前のみでとのことでした。
(日下さんのときには、住所や勤務先などの欄もありました。)
頂いた冊子には、浅利さんが寄稿した演劇に関する思いと、これまで手掛けた作品の一覧が掲載されていました。

 中に入ると献花を待つ長い列が。
広い会場でしたが、並びきれず急遽スタッフさんの待機ルームにも並んでもらい、さらにはロビーにも並んでもらっているとのことでした。
日比谷の町も、黒い服を着た人がいっぱい。
日下さんの時は、黒っぽい服装で礼服の人は少なかったのですが、今回は礼服がほとんどでした。
会社帰りらしく、普通のスーツや平服の人もちらほら見かけました。
平日日中帯にも関わらず、これほどまでの参列者とは、浅利慶太さんの偉業を実感した。

 大きな祭壇には、ハープの実物と素敵な笑顔の遺影。
両脇のスクリーンには、過去のインタビューに答える映像が流れていました。
オーケストラ席もあったので、関係者の部では演奏もあったことが分かりました。
もう、新しい浅利さんの作品がみられないと思うと寂しいです。
しかし、手掛けられた作品は、今後も上演され続けることを願っています。

 外に出て見上げた日比谷の空がきれいでした。
浅利さん安らかに。

日比谷の空

日下武史さんを偲ぶ会


日時 : 2017年6月29日
場所 : 自由劇場

 2017年5月15日、療養先のスペインで日下武史さんが亡くなられました。
劇団四季創立メンバーとして最も長く舞台に立たれた俳優さんです。

 『日下武史さんを偲ぶ会』に参列してきました。
関係者は13時から、一般の人は14時から。
14時ごろ浜松町駅に着くと、駅には劇団四季の俳優さんたちがちらほら。
報道や出席された俳優さんたちのツィートを読むと、北大路欣也さん、市村正親さん、保坂知寿さんらもご列席されたようです。

 記帳カードに受付すると、日下武史さんがこれまで出演した劇団四季の舞台作品や受賞歴が書かれたものを頂きました。
ホワイエで、芝さん、阿久津さん、味方さんらが出迎えてくださり、
ある程度の人数になると、客席に案内され、順に白いカーネーションを献花させていただきました。

 待っている間、劇場内では日下さんの舞台台詞が流れていました。
舞台上には、白い花の中に黄色の花で、劇団四季のマーク(ハープの絵)が描かれており、
その上に、大きな日下さんの遺影が微笑んでいらっしゃいました。
そしてその両脇に、たくさんの舞台写真が・・・。

〜服装について〜  今後の参考のために記載
  四季からの案内では、平服でお越しくださいとありましたが、
 一般の人もほとんどの人が、喪服まではいかないものの黒い服を着ていらっしゃいました。
 きちんとした喪服のかたもお見受けしました。

 わたしが初めて見た日下さんは、『ラ・ソヴァージュ』だったと思います。
それから、たくさんの舞台を拝見させていただきました。
『思い出を売る男』の乞食、『ヴェニスの商人』のシャイロック、『赤毛のアン』のマシューが好きでした。
もう観られないのは、寂しいです。




 その後、浜松町駅周辺再開発のため、4日前(6月25日)にクローズした春劇場・秋劇場を見てきました。
たくさんの思い出がある劇場。何回来たでしょうか・・・。
上演作品が掲示されていた場所になにもない。
寂しい。でも、新しい劇場を楽しみに待つことにします。

四季劇場空の上演案内


日生劇場舞台フォーラム2016


日時 : 2016年11月10日 18:30〜20:30
場所 : 日生劇場

 毎年行われている日生劇場舞台フォーラムです。
参加者は、舞台関係者や学生さんが多い感じがしますが、
一般の人もさんかすることができます。

現在上演されているのは、モーツァルトの『後宮からの逃走』。
演出家・舞台装置の設計者・照明デザイナー・衣装デザイナーの人々。
作品説明や舞台装置の設計書などもいただくことができました。

 衣装は、シンプルですが、素材にこだわったそうです。
オスミンの衣装には、シルクを多く使い、セリムは全てシルク。
シルクは経費を抑えるために、韓国まで買いつけに行ったそうです。
韓国でも、依然より高くなったものの、それでも旅費を加えても安くなるそうです。

  今年上演された『三銃士』と同じ、製作スタッフだったため、
共通点を持たせることとなったそうです。
オレンジの木、後宮の白いカーテンなどが、三銃士のセットを生かして使われています。
背景の絵は、俳優座さんの提案もあり、ルーセント幕というものを使用しているそうです。
染料を使い、後ろから照明を当てたときに、透明感があります。
それで、輝く青い空を表現しています。
ルーセント幕は、ワークショップを兼ねて、ニューヨーク州で作成。
やはり、こういう技術はアメリカが優れているそうです。

 最後にステージとバックステージに入れてもらうことができました。


日生劇場


舞台から見た客席



ベルモンテの衣装
コンスタンツェの衣装
セリムの衣装

ベルモンテの衣装です。
日本人が着ても、欧州人らしく見えるように工夫されてるそうです。
また、この舞台では、彼の両親も登場するのですが、共通点を持たせているそう。

コンスタンツェの衣装。
無垢を表すために、純白のドレスです。
セリムの衣装。
生地には地紋が入っており、重厚な感じになっています。

オスミンの衣装
ブロンデの衣装
ペロリッロの衣装
オスミンの衣装。
イギリス人の衣装は同一色でグラデーションを多用しているのに対し、
トルコ人の衣装は、原色で反対色をアクセントに使うようにしたそうです。

ブロンデの衣装。
コンスタンツェは召使いが着替えさせるため、後ろ開きなのに対し、侍女であるブロンデは前開きです。

ペロリッロの衣装。
イギリス人でありながら、トルコの生活になじんでいることを表すため、トルコ帽をかぶっています。


照明1照明2照明3照明4
照明だけで、時間の流れを表現しています。
背景の地の色は青です。





舞台袖の小道具 オケピ
奈落

舞台袖の小道具。
あれ、子豚の丸焼き?
オペラ座の怪人の劇中劇を思い出します。

オーケストラピットを覗くと・・・
奈落。
オレンジの柱がある部分がセリです。




日生劇場舞台フォーラム2015


日時 : 2016年11月12日 18:30〜20:30
場所 : 日生劇場

 毎年行われている日生劇場舞台フォーラムです。無料で、誰でも参加することができます。
舞台関係者向けの部分もありますが、舞台ファンも楽しめます。
3回目の参加ですが、年々参加者増えているように思います。

 現在上演されているのは、モーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ』。
パネリストは、『ドン・ジョヴァンニ』の演出家・舞台装置の設計者・照明デザイナー・衣装デザイナーの人々。
仕事の都合で、日生劇場に着くのが遅くなってしまい、途中からだったのですが、
舞台装置の説明がありました。

 階段が複雑に組み合わされているデザインです。
イメージは、ダンテの新曲(地獄がすり鉢状の階級に分かれている)、イタリアの建造物、インドの階段井戸など。
なんと、ドンキー・コングまでが、舞台装置のイメージの元になっているそうです。

  衣装は、形は古典的であるものの、演出家のフワフワした感じを表現するため、キルトのように内に綿が入ったものを使っています。
これは、主演者泣かせだそうで、熱くて・太って見えてしまうのが難点だそう。
ドン・ジョヴァンニだけが、ヴィヴィッドカラーでカラフル。
他の登場人物は、モノトーンなのですが、足元がドン・ジョヴァンニの衣装の色が付いています。
これは、ドン・ジョヴァンニに浸食されていっていることを表わしているそう。

 照明は、天上から垂れ下がった紐状のカーテンに映像を映し出すため、実験を繰り返したそうです。
最後の地獄落ちのシーンで使われます。
騎士長が映像で映し出されるのですが、カーテンの後ろに実際の騎士長を演じる人も立っているので、二重に見える不思議な世界。
また、カーテン場なので、ジョヴァンニが、カーテンを触ることにより、揺らめきます。ドン・ジョヴァンニ

 地獄落ちのシーンは、実際の照明・音楽・舞台セットの動きで見せてもらえました。
ジョヴァンニの動きは、演出家の方が代わりで演じてくれました。
圧巻のひとこと、このシーンを見せてもらうと、実際の舞台も見たくなりますね。

 最後にステージとバックステージに入れてもらうことができました。


日生劇場



舞台から見た客席




ジョヴァンニの衣装
ジョヴァンニの衣装(裏)
ドンナ・アエルヴィーラ
ドンナ・アンナ
レボレッロ
ドン・ジョヴァンニの衣装
唯一、ヴィヴィットカラーです。

ドン・ジョヴァンニの衣装(後姿)
ドンナ・エルヴィーラの衣装
ジョヴァンニ以外はグレーで統一されています。

ドンナ・アンナの衣装
女性はドレスにバッグのような持ち手が付いています。
階段が多いため、スカートを持ちやすいようにだそうです。

レボレッロの衣装
出演者のイメージに合わせたかわいらしい髪型です。

プロンプターオケピ舞台背景
プロンプター
狭い・・・






舞台袖
奈落
舞台下の廊下

舞台から舞台袖側を見たところです。
奈落
日生劇場の奈落は初めて観ました。

舞台下の廊下
いろいろ置いてあります。




文京シビックホール バックステージツアー

日時 : 2015年3月8日 19:00〜20:20
場所 : 文京シビックホール

 たびたび文京シビックホールでは、バックステージが開かれていたのですが、
子供限定であったり、平日昼間だったりと一度も参加できなかったのですが、
今回初めて、19時のツアーが設けられたので参加することができました。
参加費は、保険料を含めて100円です。
参加条件は、スニーカーなどの歩きやすい靴でくること。ハイヒールなどは不可。
パンツスタイルで来ること。

 ハイヒール不可のバックステージツアーはたびたび見かけますが、
パンツスタイルでというのは初めて。
いったいどこに連れて行かれるのか・・・

 写真撮影可。ネットのアップも可。
スタッフさんの顔写真もアップOK。
ただし、他の参加者の顔は分からないようにしてほしいとのことでした。


〜 舞台袖 〜

 舞台天井の高さは30メートルほど。
天上には、簀子(すのこ)と呼ばれるものが張られています。
吊りものは全て電動。

舞台袖にあるこちらの機器で、舞台の背景を昇降させていました。
舞台袖舞台袖



〜 セリ 〜 
 道具ぜりと大ぜりに乗せていただきました。
道具ぜりとは、舞台そでにあって、名前の通り大道具を運ぶそうです。

大セリセリから舞台を見上げる




〜 舞台天井 〜
 舞台天上です。
巻き上げ機らしきものが並んでいます。
パンツスタイルでくること。ツアー参加に保険料が含まれていた理由が分かります。
途中低い部分があり、かがまないと頭をぶつけてしまうような場所もあります。
 右の写真の左下にちょっと映っていますが、金網状の通路になっていて、下が見えるんです。
しかも舞台天井ですから、覗き込むとすごーーーーく高い。
実は高所恐怖な管理人。舞台裏を見たが一心で、歩きました(涙)
舞台天井舞台天井


〜 ピンスポット体験 〜
 ピン ルームに入れていただきました。
ピン ルームというのは、ピンスポットをあてる照明器具がある部屋です。
シビックホールでは、客席の天上にあります。

 実際に照明器具の操作方法を教えていただき、自由に操作させていただきました。
思いのほか、思ったとおりに動いてくれました。
ただ、暗転した中に立つ俳優さんにぴったり光を当てるのは、神業としか思えません。

 ピンルームからの眺望は、いままで見たことのない風景です。
客席もよく見えます。
舞台上の人がちっちゃーーーい。

ピンルーム
ピンスポット
ピンルームからの眺め




〜 照明セッティング体験 〜

 舞台上にある照明のセッティング体験。
照明器具が舞台の上に降ろされるので、それを自分で角度・光の大きさを調整し、
舞台上にあるカラーコーンぴったり光を当てるゲーム感覚の体験。

 右から2番目が私が調整した照明。
角度が完璧で、照明さんにお褒めの言葉を掛けて頂きました。

 実際に、プロの照明さんも何度か照明を上げ下ろしして、角度や大きさを調整するそうです。
いかに少ない回数でセッティングできるかが腕の見せ所とのこと。
照明の点灯は舞台脇で行われます。
照明照明体験


〜 音響室・調光室〜

 左が音響の装置。右が調光室の装置。
どちらも、客席の後ろにあります。
音響は、ハウリングが起きる仕組みと、ハウリングが発生した場合の調整方法をやってみてみせてくれました。
タッチパネルのディスプレイで調整していました。
 調光室は、とにかく恐ろしいスイッチの数です。
旅公演などの劇団は、小型の装置を持ち込んでる場合もあるし、
こちらの装置を使うこともあるそうです。そのような人は、すべてのメーカーの装置を使いこなせるそう。
 音響調光室


〜 楽屋 〜
 楽屋にも案内してもらえました。
個室で一応VIPルームだそうですが・・・狭い。
ビジネスホテルにあるようなお風呂もありました。

楽屋

 これまでも、いくつかバックステージツアーに参加したことがありますが、
舞台天井や楽屋まで見せていただけるツアーは初めて。
また、いろいろなものを触らせていただいて、大変貴重な体験となりました。


《劇場街トップページへ》  《イベントメニューへ》