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ミュージカル 李香蘭
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 昭和三部作第一弾の作品。

実在の女優李香蘭(本名 : 山口淑子)の戦争に翻弄された半生を描く。

劇団四季を代表する俳優がもっとも多くそろう舞台

 (1)あらすじ
 (2)もう一人の『よしこ』 ・・・ (山口淑子と川島芳子について) 

日劇
有楽町マリオン(旧日劇)

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 歌の量    : 中

 ダンスの量     : 中

 もっとも有名な曲 : 『中国と日本』 (劇中には昭和の有名曲が多数でてきます)

 物語の舞台    : 昭和の満州

 

barあらすじbar

 

語全ての内容を書いているわけではありませんが、
ストーリー全てを舞台で楽しみたい方は、ご注意下さい。

 

 山口淑子は日本人であったが、満州で生まれ、満州で育った。

少女時代は、ロシア人歌手に歌を唄い、中国人と子供と遊ぶ幸せな生活を送っていた。

山口淑子の父は満鉄職員に中国語を教える仕事をしており、中国人との親睦も深かった。

山口家と李際春将軍との友情の証として、中国の慣わしに従い淑子は将軍の養子となった。

そこでもらった名前は、『李香蘭』。中国語での発音はリィ・シャンラン。

李香蘭には、愛蓮という姉ができた。


 淑子は、愛蓮と共に李香蘭の名前で中国人と共に学ぶため女学校に入る。

しかし、戦争は悪化の一途を辿り、中国全土で抗日の風も強くなる。

愛蓮は恋人と共に抗日運動へと参加するため、旅立っていった。

一方、淑子の容姿と歌声に目をつけた満映(満州の映画会社)が、女優『李香蘭』を作り上げる。

女優李香蘭は、満州でも日本でも人気となった。

 

 終戦となり、日本は負けた。

李香蘭は、中国人で有りながら中国人を馬鹿にした映画に出たとして、漢奸罪に問われる。

淑子は、必死で訴える。私は日本人であると。

 

barもう一人の『よしこ』bar


ミュージカルでは道化回しとして川島芳子が登場しますが、ほとんど彼女自身のことについては語られていません。
ミュージカルで語られないもう一人のよしこの物語をご紹介します。

 

 川島芳子は、愛新覚羅 顕シとして清朝王族に生まれました。
その後、国の施策により、川島浪速の幼女となります。
貰った名前は、『川島芳子』。
後に川島浪速が「おもちゃとしてもらったんだ。」と語ったいう逸話が残っていることからも、
川島家の居心地がよいところだったとは思えません。
まもなく川島家とは仲たがいになったそうです。

 婉容皇后を満州に連れ出すことの成功。
満州軍指令に着任し、男装した麗人として注目を集めました。

 敗戦後、漢奸罪に問われた芳子は、日本人であると主張します。
日本人であれば漢奸罪には問われない。
長いこと仲たがいしていた川島浪速に助けを求めます。
日本人だと証明できるものは、戸籍謄本。
しかし、芳子は正式に養子になったわけではなく、形式だけの縁組でした。
このことは、芳子自身も知らなかったといいます。
川島は、芳子を救うために奔走。
戦争で戸籍謄本が焼失してしまったとして、役所に証明書を作成してもらい中国へと送ったのですが、力及ばず。
ついには処刑されてしまったのです。

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日本人でありながら、中国人の養子となった淑子。
中国人でありながら、日本人の養子となった芳子。

きらびやかな女優として注目を浴びた淑子。
女性でありながら軍人であることで、注目を浴びた芳子。

漢奸罪に問われた際、戸籍謄本を手に入れ、助かった淑子。(これについては原作をお読み下さい)
漢奸罪に問われた際、戸籍謄本を手に入れられなかったために処刑された芳子。


山口淑子と川島芳子。
二人の命運を分けたのは戸籍謄本という一枚の紙でした。
戦争がなければ、全く違う人生を送っていたことだけは、間違いないでしょう。


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