劇場街トップへ
ミュージカル ゴースト&レディ    
Main Travel
bar

 
 日本の同名の漫画を舞台化した劇団四季のミュージカル。

18世紀のロンドンが舞台。

2024年四季劇場(秋)が初演です。



bar


 歌の量      : 中

 ダンスの量     : 中

 オーケストラ   : 録音

 見どころ : 幽霊が活躍するため舞台には仕掛けがいっぱいです


 

barあらすじ bar

 物語の前半とクライマックス以降を分けて記載しています。
ストーリー全てを舞台で楽しみたい方は、ご注意下さい。





 グレイはロンドンのドゥルリーレーン劇場に住む幽霊。

 1864年グレイの元を、身なりの良い若い女性が訪ねてきた。
彼女は言った ―私を殺して―

 彼女は従軍看護師として苦しむ人々を助けたい。
だが、家族はそれを許さず、結婚させようとしていた。
絶望の淵にあったが、クリスチャンは自害できない。
他人に罪をかぶせるわけにもいかない、幽霊ならば...
女性の名は、フローレンス・ナイチンゲール。
彼女には、16歳のころから幽霊が見える力が備わっていた。

 グレイはあっさり断った。
人を殺せば幽霊は消滅する...
だが、女の事が気になりグレイは憑いていくことにした。

 フローレンスことフローの家では、結婚の準備が進められていた。
婚約者は、花嫁が結婚式に身に着けると幸せになれるという3つの物まで用意していたが。
フローは改めて従軍看護師になると宣言した。
すると、グレイに精気を吸われて気力を奪われてた家族は、あっさり好きにしろ言った。

 フローはグレイに、戦地でいつ絶望し死にたくなるかわからないから付いてきてほしいと頼んだ。
グレイは、意味もなく憑いていくことにした。
フローは、看護師長としての実績をかわれ看護師団長に任命されクリミアに赴いた。
しかし、戦地では女性の看護師は不要だという。
フローの機転でなんとかその場を取り繕い病院内に入れてもらった。
病院はひどい状態だった、よどんだ空気、汚れたシーツ、ごみがあふれる床。
フローたちは、掃除と洗濯から取り掛かった。
飛躍的に衛生状態が改善し、女性看護師たちが受け入れられ、その活躍が称えられるようになった。


 しかし、フローの活躍を快く思わない人物がいた。
ジョン・ホール軍医長官。
彼は、病死率を下げることよりも、経費を抑えることに力を入れていた。

 夜見回りするフローを追う影があった。

それは、謎の幽霊。。。

《以下 クライマックスからエンディングまで》





 フローの前に現れたのは、デオン・ド・ボーモン。
寸でのところで、デオンの前にグレイが現れた。
運命の再会。
グレイを殺した人物こそ、デオンであった。

 グレイの本当の名はジャック。ドゥルリーレーン劇場の前に捨てられた孤児だった。
孤児院では、食べ物さえ満足に与えてもらえなかった。
ある金持ちに引き取られた。雑用係と金持ちの息子の剣の相手として。
別に稽古で殺してしまっても構わない相手だからという理由だった。
しかし、グレイの剣の腕前はなかなかのもので、無事に過ごしていた。
主人が、放蕩息子を脅そうとしたのかグレイを養子にして家督を継がせたいといったとき、
激怒した息子に襲われた。グレイは思わず息子を刺してしまい、ひたすら逃げた。

 気が付くとそこはあの劇場だった。
その時に見た女優にほれ込んだジャックは、決闘代理人として身を立て、劇場に通い詰めた。
女優と暮らし始めたのだが、女優は貴族の愛人だった。
貴族はデオンを雇い、ジャックを殺害した。
ジャックは気が付くと、幽霊として劇場に座っていた。

 デオンはフランスで女として生まれた。
父親から男ととして生きていくように強いられ、デオン自身もまた望んで男として生きることにした。

 グレイのおかげで難をフローを逃れたが、フローに帰国の命令が出た。
道中、再びデオンが姿を現した。そして、デオンに命令したホール軍医長官も。
グレイは軍医長官を刺し、デオンの心臓を刺した。
と、同時にデオンもまたグレイの胸を突き刺していた。

 戦争は終わった。
医療看護の発展に尽くし、90歳のフローの命は尽きようとしていた。
そこに現れたのは、グレイ。
デオンの剣は、わずかに心臓をそれていた。力を使い切ったグレイは姿を現すのに長い年月がかかった。
いっしょに旅立とうというフローを言葉を、グレイは断った。

―やり残したことがあるんだ 俺しか知らない物語を舞台にすること―



barあらすじ bar

実在の人物

 劇中に出てくる人はほぼ実在の人物です。この人も!!という人をピックアップしました。
ウィリアム・ハワード・ラッセル : 自在のタイムズの記者
ジョン・ホール : 実在の軍医(ナイチンゲールを疎外していたのも史実)
デオン : 実在の人物、下に別途記載
グレイ : 実在(?)する幽霊。現在でも劇場に出るそう。

デオン

 デオンは実在の人物です。
実際は男性で、女性を装いスパイ活動をしていました。
デオンは、1763年〜1777年にロンドンで特命全権大使としてスパイ活動をしていました。
再びロンドンで女装して決闘士していたのが1785年〜1796年。
100年ぶり言っていますが、100年には満たないですね。
ちなみに、死後医学的に男性だと証明されていまし、子供もいました。

グレイは実際にいる幽霊

 グレイは、『ゴースト&レディ』で作られた幽霊ではなく、実際にいる(とされる)幽霊です。

グレイとドルリー・レーン劇場

 グレイが幽霊になった頃(1785年〜1796年)、ドルリー・レーン劇場は現在の建物ではありませんでした。
当時、教会以外ではロンドンで一番高い建物たということなので、主要な建物だったのが伺いしれます。br> ステージは円形で、椅子に背もたれはないベンチ式。内装は緑でした。
当時活躍した俳優は、ジョン・フィリップ・ケンブルやサラ・シドンズ。
ちょうどそのころ、シェイクスピア劇が盛んに上演されて、劇場は大盛況でした。

 フローが訪れた1854年は、現在と同じ建物でしたが、内装は大きく違ったようです。
客席は馬蹄型で、天井がドームとなっていて、現在のホワイエの天井と類似していたようです。

bar関連作品 bar

■劇中に出てくる作品
 ・ハムレット  ・クリスマス・キャロル
 ・スクルージ


■幽霊が出てくる劇団四季の作品
 ・ハムレット(ストレートプレイ)
 ・間奏曲(ストレートプレイ)
 ・夢から醒めた夢
 ・ユタと不思議な仲間たち

■同時代が舞台となっているミュージカル
 ・エリザベート
 ・ジョン万次郎の夢
 ・太平洋序曲


《劇場場街トップページへ》   《ミュージカル一覧へ》