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王様と私   King and I  
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  ロージャス&ハマースタインの舞台。

実話が元になっていますが、王の実像とは違うということで、

タイでは上演が禁止されています。

ブロードウェイと映画で王様を演じたスキンヘッドのユル・ブリンナーは、

その後の王様のイメージを決定付けた人です。

彼は、文字通り死ぬまで舞台でモンクット王を演じ続けました。

日本では、東宝が上演しています。

王様と私 

 

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 歌の量     : 中

 ダンスの量     : 多

 物語の舞台    : タイ

 代表曲 : シャル・ウィ・ダンス

 

barあらすじbar


 物語のさわりと、クライマックス以降を分けて記載しています。
ストーリー全てを舞台で楽しみたい方は、ご注意下さい



 アンナは息子と共に、タイ王室の子供達と后たちの家庭教師として、イギリスからやってきた。
タイの誤った知識や、風習を直そうと模索はじめる。
ある日、他国から上納品として、タプチムいう娘が王に贈られて来た。
タプチムには、恋人がいたのだったが、許されぬ恋であった。
これを知ったアンナは、タプチムを哀れみ、王へ苦言を申し入れたが聞き入れてはもらえなかった。

 ある時、イギリスから使者がタイにやってくることになった。
進んだ文化を持つ国だと思われるように、アンナは、王室に猛特訓を始める。
洋風のドレス、西洋風のマナー、ダンスパーティー、英語のお芝居。

 そんな時、タプチムは、恋人と逃げ出す相談をしていた。



≪ここからクライマックスから、エンディングまで≫





 王は、夫でもない人と踊ることは、いかがわしいことだという。
アンナは、夫とのダンス・パーティーでの出会いを語り始めた。
アンナの夫は亡くなっていた。
王は、アンナの手を取って踊りだした。
イギリスの使者のもてなしは、うまく終えることができた。

 しかし、その夜王宮逃げ出したタプチムは捕らえられてしまった。
激怒した王は、タプチムをムチで打つ。
アンナは、こんな野蛮な王の元では務められないと、帰国の決意を固める。

 帰国しようとするアンナの元に、王危篤の連絡が届いた。
王の元に駆けつけると、王は子供達をよろしく頼むと言って、息を引き取った。

 アンナが教育した王が誕生した。
若い王は宣言した。
「奴隷制度は廃止する。」
 


bar一口メモbar

■ なぜタイでは上演禁止?

 
 ミュージカルは、アンナ・レオノーウェンズの手記に基づいて創られた作品です。
ラマ4世が実像とかけ離れているため上演禁止となっています。
アンナが王子や后たちの西欧教育を与えるために家庭教師として、タイに迎えられたこと。
アンナによって、教育を受けた王子が、西欧文化を取りれたことは事実です。
自伝というものは、3割自分をよく書かれるものですが、アンナの手記の場合そもそも経歴から全く異なるそう。
よくよく考えて見れば、ありえない点が多く見受けられます。

・王子の教育係ではない
  ミュージカルでは、王子や后達の西欧式教育係となっていますが、教育係ではなく、ただの英語教師です。
 数いる家庭教師の中の一人だったということになります。

・外国の女性が王に直接意見を言えない
  いくら特別扱いのアンナであっても、絶対的権力をもつ王に外国の女性が抗議するなんて、とてもとても無理。
 アンナが王を見限ってタイを立とうとしますが、むしろ国外追放になってたはず。

・ダンスシーンはありえない
  これは、ミュージカル的演出なのは誰の目にも明らかですが・・・。
 モンクット王は、アンナに教わるずっと前からダンスが上手だったということです。
 アンナが来た時にはすでに老齢であるため、アンナとあんな軽やかに踊れなかったろうといわれています。

・王子は幼くなかった
   ラマ5世が王に即位したのは、18歳。時代を考えれば一人前の大人扱いです。

■ タイにおける王室

 
 タイ王室は、現在も続いていて、タイの国民に大変な支持を得ています。
タイ王室は、日本の皇室と同じく、国の象徴となっており、政治的実権はありません。
タイのお店でも、よく国王様、王妃様の写真が飾られています。(他の高速道路は有料)

■ モデルになった王様

 王様のモデルとなったのは、ラマ4世(モンクット王)です。
子供の数は62人。ミュージカルの子供の数は誇張ではなく、実際はもっと多かったんです!
若かりしころ出家しており、托鉢をして放浪したそうです。
大変勉強熱心で、彼が使ったという天文台が残されています。


■ モデルになった王子様

チュラロンコーン王
 ミュージカルに登場する王太子は、ラマ5世(チュラーロンコーン大王)。
アンナ・レオノーウェンズ夫人により西欧の教育を受けました。
奴隷制を廃止したことで知られていますが、ミュージカルのようには簡単ではなく、
貴族等からの反対が強く、絶対的権力を持った王でも廃止するのに30年もの年月を要しました。
名君中の名君。現在でも尊敬を集めています。
 さらにすごいのが、子供はなんと77人!!全員の子供の名前覚えてたんでしょうかね?
ラマ5世によって建てられた建築物の多くは、西欧とタイの伝統スタイルがミックスししていて
現在も残っています。
 肖像画を見ると、西洋的顔立ち。

■ アンナの息子ルイ

 ルイは、タイの王女と結婚しました。
タイで会社を興し、成功したということです。

 現在でも、タイの王女は、アメリカ人と結婚なさっている方がいらっしゃいます。
王室の結婚相手は、国籍はあまり問わないようです。


■ 王様と私どちらが主役?

 ブロードウェイで上演された当初、主役はアンナでした。
しかし、アンナ役の女優が亡くなる直前、ユル・ブリンナーを主役にと言い残したことから、王様が主役となりました。
日本では、東宝で上演されています。
東宝は宝塚歌劇団は同じ系列なので、宝塚出身の女優が演じるアンナが主役になっています。


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