銀河英雄伝説 外伝 オーベルシュタイン編
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銀河英雄伝説の外伝第2弾で、後の帝国軍軍務尚書となるオーベルシュタインが主役です。
オーベルシュタインはなぜ感情を表に出さないのか?
ナンバー2不要論に至った理由はなにか?
犬には寛容だったのはなぜか?
これらの疑問をオーベルシュタインの過去を通して解き明かしています。
主演の貴水博之作詞のテーマソングがあり、舞台終演後オーベルシュタインのまま演奏があります。
全1幕、約1時間45分。
出演者
パウル・フォン・オーベルシュタイン |
: 貴水博之 |
パウルの青年時代 |
: 澤田怜央 |
ステファン(パウルの兄) |
: 岸祐二 |
ステファンの青年時代
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: 松村泰一郎 |
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ステファンの少年時代
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: 畑敦
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オトマール(パウルの父) |
: 増沢望 |
メルセデス(パウルの母)
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: 今井久美子
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ラーベナルト(執事) |
: 陰山泰 |
ビットナール少将 |
: 船戸慎士 |
ゼークト大将 |
: 伊藤哲哉 |
アンスバッハ
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: 高山猛久
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ニック(ハウンド)
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: 須加尾由二
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ダニロ(ハウンド)
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: 我善導
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エリク(ハウンド)
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: 岡本龍太郎
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マルグリッド(メイド)
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: 八鍬慶子
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カタリーナ(メイド)
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: 市川円香
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キルヒアイス【友情出演】 |
: 崎本大海 |
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ラインハルト【映像のみ】
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: 松坂桃李 |
フリードリヒ4世【映像のみ】
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: 長谷川初範 |
オーベルシュタインの犬【映像のみ】
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: かかし座
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登場人物相関図
あらすじ
物語のさわりの部分と、クライマックス以降を分けて記述していますが、
ストーリー全てを舞台で楽しみたい方は、ご注意下さい。
パウルは、オーベルシュタイン家の跡取りとして誕生した。
パウルは、先天的に両目が不自由だったた。
帝国の初代皇帝ルドルフは、『劣悪遺伝子排除法』という先天的に異常を持って生まれた赤ん坊を処分する法を定めていた。
パウルの眼は生まれてすぐに、光コンピュータを組み込んだ義眼に入れ替えられた。
オーベルシュタイン家は、銀河帝国誕生以来、私的に諜報部を保有し、帝国を陰で支えてきた名門だった。
オーベルシュタイン家が持つ諜報部は、『ハウンド』=『オーベルシュタインの犬』と呼ばれた。
パウルの父は、外に産ませた長男を引き取った。
長男にオーベルシュタイン家の影の組織の全権を委ね、陰で当主パウルを支える役目を与えた。
帝国軍に入隊したパウルは、父親の教え通り、冷徹を装い続けた。
パウルに、一つの私的依頼があった。
『皇帝の寵姫の弟で、来年ロイエンタール家を継ぐ、ラインハルト・フォン・ミューゼルの身辺を探ること』
パウルは、兄にラインハルトの身辺を探らせた。
兄が報告では、ラインハルトの私的発言から、ゴールデンバウム王朝(現王朝)を打倒の野望が伺えるという。
ゴールデンバウムの打倒・・・これは大逆罪でり、報告すれば即処罰されるだろう。
劣悪遺伝子排除法により、もしかしたら自分は排除されていたかもしれない。
貴族の母親から生まれた自分は当主となり、優れた兄は平民の母から生まれたため影の存在に甘んじている。
ゴールデンバウム王朝がなければ・・・。
≪ クライマックスからエンディングまで ≫
パウルは、兄によるラインハルトの報告書を握りつぶした。
パウルは、最前基地であるイゼルローン要塞への転属願いを提出し受理された。
パウルは、兄やハウンドにイゼルローンに同盟軍へ密通者を捜索させるため同行させた。
イゼルローン要塞に同盟軍が襲い掛かった。
パウルは同盟軍の巧妙な罠を見抜いたが、彼の進言は上官に受け入れなかった。
パウルは、兄に告げた。
ハウンドをイゼルローンに連れてきたのは、ラインハルトの身辺をこれ以上嗅ぎまわられるのは不都合だからだ。
この艦隊は、壊滅の道を進むだろう。
しかし、自分ならば脱出用シャトルを動かすことができる。自分を選ぶか、それとも・・・。
パウルを撃とうとした兄を、パウルが返り撃った。
「冷酷な仮面をかぶり続けろ」
それが兄の最後の言葉だった。
一人イゼルローンを逃げ出したパウルは、危うい立場となった。
パウルは、政治的に成功するには自分が必要不可欠であるとラインハルトを説得し、参謀の席を得た。
――― パウルの後を年老いた一匹の犬が追ってきた。
門番兵に、「それはオーベルシュタイン閣下の犬では?」と尋ねられ「そうか、私の犬にみえるのか」と答えた。
解説
過去の舞台や小説を見ていないと分かりにくい点について解説します。
◆ ヘル・オー
たまに、ステファンがパウル・オーベルシュタインを呼ぶときに「ヘル・オー」と呼んでいます。
英語にするとMr.Oにあたります。
◆ 自由惑星同盟(同盟軍)
もともとは帝国から逃亡した人たちが築いた共和国。
帝国と同盟国は長い間対立た続いています。
帝国としては、同盟国を国と認めていないため、公式には反乱軍と呼んでいます。
◆ ラインハルトの身辺調査を依頼した人物
アンスバッハが依頼主の代理人として舞台上に姿を現しますが、アンスバッハの主人はブランシュバイツ公。
ブラウンシュバイツ公は、皇帝の嫁婿で門閥貴族の一人。
当然、寵姫の弟で頭角を現したラインハルトを快く思っていない人物です。
◆ イゼルローン要塞
イゼルローン要塞は、帝国と同盟との結ぶ細い航行可能領域(小説上では回廊と呼ばれている)内にある帝国軍の要
塞。
要塞にはトゥールハンマーという1艦隊を一瞬にして消滅してしまうほどの砲撃を保有しています。
最後にゼークトの艦隊が玉砕するのはこのトゥールハンマーによるもの。
同盟編で、同盟軍のヤンがイゼルローン要塞攻略する様子が描かれると思われるのでここでの紹介は省略。
◆ ルドルフ大帝
オトマールのセリフに、オーベルシュタイン家はルドルフ大帝の御世よりというセリフが出てきます。
ルドルフは現在のゴールデンバウム王朝の最初の皇帝で、『劣悪遺伝子排除法』を作った人物。
◆ ラインハルトのカタがついているといる事件
ハウンドから報告を受けて、カタがついているからとステファンも取り合わなかったラインハルトの事件は、銀河帝
国編にも登場しません。
ベーネミュンデ侯爵夫人が、ラインハルトの姉グリューネワルト伯爵夫人に寵愛を奪われた嫉妬から、
ラインハルトを襲った事件で、2回ともラインハルトとキルヒアイスによって、刺客は返り討ちにあっています。
その後、グリューネワルト伯爵夫人を殺害しようとした疑いにより、皇帝の命によりベーネミュンデ侯爵夫人は自害を強要されました。
◆ 旗艦(きかん)
漢字を見れば、即わかりますが、セリフで単に「きかん」と言われてもわかりにくい。
艦隊のなかで、指揮官が乗り込む戦艦のことです。
演出について
◆
犬
原作ファンの殆どは、犬はどうするのだろうと思っていたでしょう。
かかし座によって影絵で表現されました。
プログラムによると、AIBOにぬいぐるみを着せようと思ってたけれど、もう生産してなかったからあきらめたとのこと。
◆ ラインハルト
おそらくは、ラインハルト役の松坂桃李さんの仕事により出演できなかったようで、映像による出演となりました。
ただの映像ではなく、オーベルシュタインの義眼から見えている映像が背後スクリーンに映し出される形の演出となりました。
関連作品
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