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ミュージカル モンテ・クリスト伯 ―The Count of Monte Christo
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 『岩窟王』のタイトルでも知られているアレクサンドル・デュマの小説を

ミュージカル化した作品です。

マルセイユ・ローマ・パリを中心に繰り広げられる復讐劇。

ストーリーは、原作と少々異なります。

音楽は、ワイルドホーン。

日本初演キャストはエドモン:石丸幹二、メルセデス:花總まり

マルセイユ
マルセイユ旧港(ノートルダムガルド教会の丘からの眺望)

 



全2幕 2時間20分(20分の休憩を含む)  2013年日生劇場上演時

歌 : 多い(会話もほとんど歌で進む形式)

ダンス : 少ない

オーケストラ : 生演奏



bar 登場人物相関図 bar

相関図の見方は、凡例をご参照ください。

≪ 第一幕 ≫

登場人物相関図(第一幕)



≪ 第二幕 ≫

登場人物相関図(第二幕)


bar あらすじ bar

 

 

さわりの部分とクライマックス以降のあらすじを分けて記載してます。
ストーリーを舞台で楽しみたい方は、ご注意ください。

 

 

 ルイ18世が統治するフランス。ナポレオンはエルバ島に追放となっていた。
マルセイユに帰港した航海士エドモンは、メルセデスと婚約。またファラオン号の船長に任命され、人生は順風満帆かと思われた。
ところが、当然かれは見に覚えがない罪で捕えられた。

 エドモンが、ナポレオンが書いた手紙を持っているとして密告されたのだった。
その手紙は、船長から預かっていたものだった。
聴取したヴィルフォール検事は、手紙の宛先がノワルティエ氏であることを知ると、エドモンをシャトー・ディフ(イフ城)に投獄した。


 ある日突然エドモンの牢屋に、ファリア司祭が現れた。
ファリア司祭は、別の部屋に閉じ込められていたが、地下を掘り進めて、エドモンの部屋にたどり着いたのだった。
ファリア司祭は、エドモンを投獄した人物を推理した。
エドモンの出世を妬むダングラール。メルセデスに好意を寄せていたモンデゴ。
そして、父親であるノワルティエがナポレオンの復権を画策していることを隠そうとしたヴィルフォール。


 ファリア司祭は、トンネルを掘りながら、エドモンに語学・政治・化学・数学あらゆることを教えた。
先が長くないことを悟ったファリア司祭は、エドモンに自分の死体と入れ替わって脱獄するように勧める。
最後に、スパダ家の秘宝の場所を教えた。

場所は、モンテ・クリスト島 ―
― 。


≪以降クライマックスからエンディングまで≫


 
 

 ファリア司祭の死体に入れ替わったエドモンは、海に投げ込まれた。
エドモンが泳ぎ着いた船は、女海賊エルザの船だった。
エドモンは、海賊の信頼を得た上、モンテ・クリスト島の財宝も手に入れた。

 ダングラールはモレル商会を乗っ取り銀行家に、ヴィフォールは検事総長に、メルセデスはモンデゴに嫁いでいた。
エドモンは、モンテ・クリスト伯として生まれ変わった。
パリに現れたモンテ・クリスト伯の正体にメルセデスだけが気づいた。

 ダングラールが全財産を投資した
会社がモンテ・クリスト伯によって倒産。
ヴィルフォールは、かつてエドモンを無実の罪で投獄したことから更迭。
モンデゴは、モンテ・クリスト伯から与えられた金で堕落の一途をたどった。
アルベールは父の名誉回復のため決闘をモンテ・クリスト伯に申し込んだ。
だが、アルベールの許嫁であるヴァランテーヌに"恋人を失う悲しみが分かるか"を問われたモンテ・クリスト伯はアルベールを救ってやった。
そして、復讐は空しいものであることを悟った。

 メルセデスは、モンデゴと別れてエドモンの元に帰ってきた。
エドモンを背中から襲おうとしたモンデゴだったが、エドモンに付き添う元海賊のジャコボによって殺されたのだった。



bar 原作との違い bar

 原作とミュージカルの一番の違いは、何と言ってもラスト―シーンでしょう。
その他については、登場人物を絞ったこと、復讐の方法が込入っている(と思わる)ので単純化したこと。
エンタテイメント性を高めるため(と思わる)に、決闘シーンがあることです。

細かい点なども含めて以下の通り異なる点を上げてみました。

 エデが登場しない

  ギリシャ人でエドモンが奴隷として買った娘です。

 原作では、モンデゴの復讐のキーとなる人物で、最後はエドモンと一緒になるのはエデです。

 ルイーザとルイジ・ヴァンパ

  シャトー・ディフから脱獄したエドモンが海賊に救われるのは原作とミュージカル同じですが、

 原作でエドモンの復讐の助けとなるのは、山賊ルイジ・ヴァンパです。

 ルイーザは、ルイジの恋人(妻?)で、あまり登場しません。


 ジャコボ

  原作では、ジャコボは口がきけないとあります。

 アルベールの婚約者

  ミュージカルではアルベールの婚約者は、ヴィルフォールの娘ヴァランテーヌですが、

 原作では、ダングラールの娘ユージュニーが婚約者です。

 ヴァランテーヌは、モレル氏の息子の恋人です。

 ヴァランテーヌが善良であることは、原作・ミュージカルともに同じです。

 復讐方法

 原作の復讐は手が込んでいるのですが、簡単にまとめると以下の通りです。

 ダングラール

 投資に関わるニセの情報をつかまされ、大損害。
その上、モンテ・クリスト伯への莫大な支払を迫られ倒産。
ダングラールが一番ミュージカルと原作が近いです。

 モンデゴ

 モンデゴは、ギリシャ遠征で活躍し政界に進出して出世した人物だが、
ギリシャで、見方であったはずの総督を裏切り、その妻と娘エデを奴隷として売り飛ばした。
その卑怯で卑劣な犯行をモンテ・クリスト伯の奴隷として買われたエデによって暴かれ、社会的地位を失う。
自殺。

 ヴィルフォール

 ヴィルフォールは、
愛人との間に生まれた赤ん坊を庭に埋めてしまう。
それを宝を埋めたのだと思った人間によって、掘り返され赤ん坊は助かっていた。
成長したその愛人の子を、モンテ・クリスト伯はイタリアの貴族の子息として仕立てあげる。
ヴィルフォールは、娘と社会的地位を失ったモンデゴの息子と改称し、イタリア貴族の子息と婚約させる。
ところが、赤ん坊を拾った男によって、ヴィルフォールの屋敷で拾ったことを明かされる。
検事総長の不実を暴かれたヴィルフォールは、正気を失いひたすら土を掘り続ける。


 原作の最後

  エドモンは、メルセデスにアルベールだけは見逃してほしいと言われ聞き入れる。

 エドモンは、若いころメルセデスとの結婚資金として貯めてマルセイユに埋めていた金をメルセデスとアルベールの再出発の資金として与える。

 また、モレルの息子マクシミリアンと善良なヴァランティーヌの二人の結婚祝いとして、財産のほとんどを譲ってしまう。

 エドモンは、エデと共にフランスを旅立つ。


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