ALW版 オペラ座の怪人
The Phantom of the
opera
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2011年ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで上演された25周年記念公演(以下『記念公
演』と記述する)と、
通常の舞台との違いをピックアップしました。
ロイヤル・アルバート・ホールは、『オペラ座の怪人』の常設の劇場ではないことと、
客席が円形にステージを取り囲んでいることから、セットはまったく別のものとなっています。
その中でも、大きく演出に影響するセットの違いをピックアップします。
◆ シャンデリア
ロイヤル・アルバートホールが円形であることが一因でしょうが、シャンデリアが完全な円形です。
通常公演は、楕円形をしています。
しかし、シャンデリアに竪琴の装飾など、通常公演の方が本物のオペラ座に近い。
記念公演では、シャンデリアを落とさない代わりに、花火で演出されています。
◆ 緞帳・背景幕
ロイヤル・アルバート・ホールには、プロセミアム・アーチ(ステージの額縁)がないため、緞帳がありあせん。
また、『オペ座の怪人』では、たくさんの背景幕が使われますが、こちらも設置できなかったとみられ、
緞帳・背景幕は、背景のスクリーンに映し出して表現されています。
この背景のスクリーンを生かした演出が、『ハンニバル』のカーテンコールで実際の客席が舞台奥に映し出されるシーンです。
しかし、客席の人が現代の服装なのがちょっと・・・。
◆ ボックス席
通常の舞台では、5番ボックスと支配人のボックス席がオペラシーンになると登場します。
記念公演では、アルバートホールの2階〜4階の客席と一体化するような形で設置されています。
また、怪人のボックス席が、通常公演では下手(客席から見て左手側)、特別公演ではか上手になっています。
(蛇足)
『オペラ座の怪人』が上演されているロンドンのハー・マジョスティック劇場には、ボックス席があります。
しかし、怪人のボックス席としても客席としても使われていません。もったいない。
劇場のボックス席をそのまま劇中のファントムのボックス席として利用しているのは、ラスベガス公演です。
(管理人はラスベガス公演は見ていないので、情報源は友人の話とお土産にいただいたプログラムによる)
◆ オーケストラ・ピット
通常の舞台では、オーケストラは舞台したですが、
記念公演では、舞台が2段に分かれていて、2段目にオーケストラがいます。
オーケストラも記念公演では、大編成になっています。
記念公演では、オーケストラがフルになっています。
また、ピットが舞台下ではなく、舞台上の2階に設けられています。
キャスト数が大幅に増え、記念公演では140人。
マスカレードでは、通常の舞台ではマネキンで水増ししてますが、すべて本物の人間になっています。
衣装は、海外からも借り受けているそうで、よく見ると蝶だけでも、4、5人はいます。
通常の舞台では、ファントムはマスカレードで、クリスティーヌから婚約指輪奪い取って、それをしていますが、
記念公演では、最初から指輪をしています。マスカレードシーンでは、クリスティーヌから奪い取ることはしません。
『ドン・ファンの勝利』のシーンで、クリスティーヌに贈る指輪もファントムのものです。
通常の舞台では、ハンニバルのシーンで、象が登場しますが、記念公演には登場しません。
ハンニバル(ピアンジ)が、決めポーズを象の上で取る代わりに、アンサンブルがハンニバルのマントを広げて華やかさを演出しています。
ロンドンの通常舞台では、ハンニバルの象の背になかなか上がれず、じたばたするのですが、
記念公演では、剣がなかなかぬけいことで表現しています。(文字通り切羽詰まってますねwww)
通常の舞台で、ラウルがクリスティーヌの楽屋を訪れるとき、ラウルが手にしているのはシャンパンです。
記念公演では、バラになっています。
『ドン・ファンの勝利』のクリスティーヌの衣装は、通常の舞台ではバラが付いていますが、逆に記念公演ではバラがついていません。
(蛇足)
オペラ座の怪人のロゴにはバラが描かれていますが、
舞台では、クリスティーヌが『ハンニバル』のカーテンコール』で受け取る花束と、『ドン・ファンの勝利』のクリスティーヌの衣装についているバラのみ
で、
物語のキーとなってはいません。
このことが、映画化された際に重視され、オペラ座の怪人からの贈り物として、黒いリボンが結ばれたバラが重要なキーとして使用されました。
ウェディングドレスを着ているマネキンが、記念公演では登場しません。
そのため、クリスティーヌが気絶する理由が分かりにくくなっています。
舞台上のつい立の後ろで、カルロッタが『イルムート』の衣装に着替えています。
フットライトをつけるシーンや緞帳がないために、このような演出になったのだとは思いますが、
映画版でもプリマ・マドナの曲でカルロッタが着替えています。
また、『イルムート』は、『フィガロの結婚』パロディで、『フィガロの結婚』で同じようなシーンがあるため意識的に入れらたと思われます。
『イルムート』バレエシーン。
舞台では、ブケーの死体が落ちてくるだけですが、
記念公演では、ステージが2段になっていることを利用して、ブケーが怪人によって殺害されるシーンが入りました。
通常の舞台では、オペラ座の屋根のシーンで、怪人はプロセニアム・アーチの女神像の裏から登場します。
記念公演では、オペラ座のキューポラの上になっています。シャンデリアを落す「行け!」というセリフは、4階ボックス席から姿を現して言っています。
通常の舞台では、墓場シーンで、怪人がどくろの杖から火の玉(?)を発射しますが、
ロイヤル・アルバート・ホールでは、杖が使われません。
ステージから花火が出されるだけです。
マスカレードのキャストは総勢100人。
通常の舞台では、マネキンなのも実際の俳優が演じていますし、道化だけでも、4、5人います。
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