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ロンドンと日本の違い | 映画と舞台の違い | 25周年記念公演と通常公演の違い |
舞台の大道具、小道具のあれこれを記載しています。
■ オー クションのカタログ
冒頭のラウルが持っているカタログには、文が書かれています。
ここでご紹介するのはロンドン初演のもの。書籍『【完全保存版】オペラ座の怪人』に表紙だけですが、カタログの写真が掲載されて庵、日本でも同じものが使われていたようです。
内容は次の通りです。
表紙オークション カタログオテル・ドルーオは、自在のオークション会場で当時も現在も実在しています。
パリ・オペラ座の衣装、アクセサリ、さまざまな商品
パリ・ドルーオ街9番地 オテル・ドルーオで販売
Dumanois氏、Mouret氏ご臨席の元
1905年6月4日 水曜日
では、オープニングシーンはオテル・ドルーオ??台本ではパリ・オペラ座のステージ上となっています。
主催がホテル・ドルーオで、会場がパリ・オペラ座ということかもしれません。
オークション開催日「le Mercredi 4 Juin 1905」と書かれています。
実際には1905年6月4日は、水曜日ではなく日曜日です。
ネットの情報ですが、ドイツでは「1900年6月の水曜日」に修正されています。
表販売条件 見開き左ページ落札者は、氏名と居住地を申告し、購入の一部または全額として1ポンドあたり5シリング以上を払うものとする。 正規品であるか否かに関わらず、説明の誤りや血管を含め、販売から2日以内に持ち帰り代金を支払うもとする。Chrstie Manson,Woods社はいかなる責任も負わない。かなり長文なので、一部抜粋。英語で記載されています。
1ポンド?5シリング? Chrstie Manson,Woods社は、ロンドンに実在するオークション会社ですね・・・
内容丸々クリスティーズの販売条件ではないかと思います。
商品一覧 見開き右ページlot663 この劇場で上演されたシャリモー作曲「ハンニバル」のポスター
lot664 1831年に上演したマイヤベーヤの「悪魔のロベール」より、木製のピストルと3人の頭蓋骨
lot665 手回しオルガンの形をした張り子のオルゴール。ペルシャのローブを着てシンバルを演奏するサルの像付き
lot666 バラバラになったシャンデリアを修復し、新しく電灯の配線を施したもの
lot667 輝くクラスタースナップが付いた上品な東洋産のグラデーションパル78個のネックレス
lot668 輝くクラスタースナップが付いた上品な東洋産の丸いグラデーションパル80個のパールのネックレス
lot669 197個の真珠、カボジョン エメラルド、輝くスナップで構成されたネックレス
lot664『悪魔のロベール』は実在のオペラ。1831年パリ・オペラ座が初演なので、この商品は初演の小道具です。
lot667以降は、セリフには出てこない商品です。3商品とも真珠のネックレスですね。
パリ・オペラ座では宝飾品は本物を使うことになっているので、真珠もエメラルドも本物です。かなりの落札価格となったことでしょう。
※オークションのカタログ劇団四季と英国版は同じものです。(書籍『完全版 オペラ座の怪人』および、英国プログラム、をもとにしています。)
■ イル・ムートのプログラム
カルロッタがカエルになってしまうシーンのオペラは、『イル・ムート』。
架空のオペラです。
観客らが持っているカタログも作りこまれています。
ここで紹介しているものは、ウェストエンド初演・ブロードウェイ初演・日本公演のものです。
ドイツ公演と英国ツアーでは、別のプログラムだそうです。
表紙国立歌劇場オペラ座の怪人初演時の年の設定は、ロンドンと日本ともに設定は1861年。
イル・ムート
アルブリッツィオ作曲の人気オペラ
1849年12月13日 オペラ座初演作品
劇中の公演は初演ではないことがわかります。
広告(見開き左)カイロの鵞鳥『カイロの鵞鳥』は、実際にあるモーツァルトのオペラ・ブッファ。
パリ ファンタジー劇場
モーツァルト
1867年パリ・ファンタジーが初演です。ん・・・あれ・・・『オペラ座の怪人』初演の設定は1861年。
キャスト表(見開き右)イル・ムートおお、アンサンブルの名前がここで明らかに!!
全4幕のオペラ
ヴィクトリアン・サルデゥとルイ・ガレ 作詞
アルブリッツィオ作曲
レイエ指揮
伯爵夫人........Carlotta GIUDICELLI(カルロッタ・ジュディチュルリ夫人)
セラフィーノ.......Christine Daae(クリスティーヌ・ダーエ嬢)
伯爵.......Timothe ABLE(ティモテ・エイブル)
従者...........Maric BARRETTE(マリック・バレッテ)
ヘアドレッサー........Jean PAULV(ジョン・ポール3世)
宝石商.......Alaia WASSER(アライア・ヴァッサー)
シャニー子爵製作
マリア・ビョルソン夫人によるデザイン
ジリー夫人による娯楽規制
シャニー子爵プロデュースだったのか
マリア・ビョルソンのみ実名で衣装デザイナー
ジリー夫人の娯楽規制はおそらく、スタッフの遊び心でしょう。
■ 新聞
支配人が投げている新聞は、現存するフィガロ。(右の写真は、現在のフィガロ)
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舞台上の新聞も、ちゃんとフランス語で記事が書かれています。
カレッタ汐留に、舞台で使われている新聞展示されていました。
新聞に書かれていた日にちは、「MERCREDI 24 」。
よく月は読み取れませんでしたが、三文字目が「V」でした。「FËVRIER」「NOVEMBER」のどちらか。
新年の舞踏会の半年以上前のことなので、おそらく2月?
新聞に年は書かれていません。
ロイヤルアルバート・ホールの25周年記念公演で、フィルマンが最初に読んでいる新聞はやはりフィガロ。
『MYSTERY AFTER GALA NIGHT』と書いてあります。
あら・・・英語。
3番目に読む新聞は、裏面広告があります。『SI VOUS TOUSEZZ PASTILLES GÉRAUDEL』
調べると、実在した咳止めトローチの広告です。
下のものがおそらく新聞の元となった広告です。
さらに細かいことを突っ込みを入れると、この広告はオペラ座の怪人事件よりもう少し後の時代のものです。
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■ バレリーナの衣装
バレリーナたちがきている稽古の白いチュチュはドガの絵をもとに作られていま す。
クリスティーヌの楽屋のシーンで、練習しているバレエのシーンもドガの絵画が元になっています。
■ オ ペラ座の屋根に立つ像
怪人が、オペラ座の屋上で、クリスティーヌとラウルの逢引を目撃してしまうシーンは、印象的なシーンの一つです。
小説、舞台では怪人が隠れていた像がそれぞれ違う像になっています。
■ アポロン像
原作では怪人は、アポロン像の後ろからラウルとクリスティーヌの様子を探っています。
アポロンは、オペラ座の屋根の中央で竪琴を掲げています。
アポロンは、ギリシャ神話の中の太陽の神ですが、同時に音楽の神でもあります。
■ 天使像(女神)
ALW版の舞台では、怪人が屋根の端にある天使像の後ろに隠れています。
通称『天使像』と呼ばれていますが、実際オペラ座の屋上にあるのは女神です。
舞台はスクリブ街側の調和の女神(ハルモニア)。映画では、逆側の詩情の女神(ポエジー)
■ ペガサス像
天使像がプロセニアムアーチ(舞台の額縁装飾)に設置できない劇場では、舞台上にペガサス像が設置されます。
本物のオペラ座にもちゃんとペガサス像があります。
ペガサスは、ヘルメスによってメドゥーサが倒されたとき、地に落ちた血から生まれたとされています。
その後、ムーサの女神達の乗り物となりました。