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キャッツ    〜 CATS 〜
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 ロンドン生まれのミュージカル。日本では劇団四季が上演。

劇団四季の作品の中でも、特に人気がある作品です。

人間社会を猫の姿で、風刺しています。

子供から大人まで楽しめる作品。

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 舞台形式     : 台詞も歌で進行する

 ダンス       : 多い

 オーケストラ   : 録音

 もっとも有名な曲 : 『メモリー』
              
 物語の舞台    : ごみ捨て場

 見どころ : 舞台上だけではなく、劇場中で繰り広がられる猫達の演技やダンスは、一回では見切れません。
        そのため、キャッツではリピーターが多い作品となっています。

 ここに注目 : 劇場にある巨大なごみですが、その中に雑誌もあり、
         ちゃんと記事が書かれていてページをめくって読むことができるものも。


barあらすじ bar

 

 物語全ての内容を書いているわけではありませんが、
ストーリー全てを舞台で楽しみたい方は、ご注意下さい。

 

 年に一度猫の舞踏会が開かれる。

舞踏会では、永遠の命を与えられる一匹の猫『ジェルクル・キャッツ』が選ばれる。

あまのじゃくなツッパリ猫『ラン・タム・タガー』、

舞台俳優だった年寄りの劇場猫『アスパラガス』、

昔は美しい娼婦だったが、現在はみんなからのけ者にされている『グリザベラ』、

夜行列車に乗り込み、取り仕切っている猫『スキンブル・シャンクス』、

次々に集まる猫たち。

 『ジェリクル・キャッツ』に選ばれるのはいったい誰か?



barジェリクル・キャッツの紹介 bar

■ マンカストラップ(通称:マンカス)
  白とグレーの猫で、髪の毛も縞模様で立っている。舞台の進行役。

■ ジェニエニドッツ(通称:ジェニ)
  一番最初に紹介されるおばさん猫。
 昼は、ぶくぶくと太った毛皮をまとっているけど、夜は大変身。毛足の長いオレンジ色の猫。
 見どころは、ゴキブリたちとのタップダンス。

■ ラン・タム・タガー(通称:タガー)
  昔はプレスリー風の白い猫だったが、現在はミック・ジャガー風の黒のトラ柄。
 メス猫に大人気。おそらく、人間の女性にも一番人気。
 客席から女性を一人連れ去ります。

■ ミスト・フェリーズ(通称:ミスト)
  黒い燕尾服を着たようなオスの子猫で、マジシャン。
 高度なバレエ・テクニックが見どころ。片足を上げてクルクル回るが、いかに軸足が動かないかがポイント。

■ スキンブル・シャンクス(通称:スキンブル)
  夜行列車を仕切っている猫。黒いベストを着て、手には懐中時計を持っている。
 スキンブル・シャンクスのナンバーは、一番楽しく客席も一番盛り上がります。
 鉄道オタクのイメージとは裏腹に、演じている俳優さんはみんな二枚目の正統派俳優。

■ オールド・デュトロノミー
  みんなの尊敬をあつめる長老猫。毛並みはけっこうぼろぼろ。
 歌声は、猫でなくても聞きほれてしまうところ。
 かつては、幕間にサインをしてくれたけど、今は客席の混乱を避けるためしてくれないです。

■ マンゴジェリー&ランペルティーザ(通称:マンゴ&ランペル)
  コソ泥カップル。ランプティーザが首にしているのはネックレスではなく、おそらく人間様のブレスレット。
 アクロバット的なダンスが見どころ。

■ マキャビティー(通称:マキャ)
  悪の帝王猫。その正体は謎。仮面をかぶってマントを羽織っています。

■ アスパラガス(劇中劇ではグロールタイガー)(通称:ガス)
  かつては名優だった(自称)年老いた猫。
 年老いてよたよたしていますが、舞台の幕が上がると別人に。海賊の親分を演じています。

■ ジェリーロラム(劇中劇ではグリドルボーン)(通常:ジェリー)
  年老いたアスパラガスを気遣うやさしい女の子。
 やはり幕が上がると大変身して、真っ白い妖艶な猫に。
 グリドルボーンの第一声に注目。

■ グリザベラ
  若かりしころは売れっ子の娼婦だったが、現在はぼろのコートを着て、盛り場をうろつく年老いた猫。
 今では、猫たちから蔑まされている。 名曲中の名曲『メモリー』を歌うのは彼女。

■ バストファジョーンズ
  政界の大物で太った猫。黒いバラ模様が特徴。
 客席に1本のお花を投げる。

■ シラバブ
  生まれたばかりのクリーム色の子猫。シラバブ自身の曲はないのでちょっと覚えにくい。
 クライマックスでは、最も重要な役割を果たします。
 他作品のヒロイン役の女優さんが演じていることが多い。澄んだソプラノ。

bar小道具のいろいろ(横浜公演) bar

人間のものが猫の世界では、とんでもないことに使われていたりします。
この辺りをチェックするのも楽しいですね。


■ シルクハット
 バストファジョーンズが演説を打つ台座になっています。シルクハットには引き出しが付いていて、階段になります。

■ スプーン
 バストファジョーンズのステッキであり、ゴルフのクラブであり、体重計の針でもあります。

■ 魚用ナイフ
 シャム猫軍団が持っている刀は、よくみると食事用のナイフ。

■ 中華なべ
 猫たちがかぶってゴキブリになっています。
 手には、コップを洗うスポンジやらなにやらいろいろ持ってます。

■ ブレスレット
 ランペルティーザがネックレスにしているのは、たぶん人間のブレスレット。

■ スキンブルシャンクスの汽車を解体
 ・ やかん : 煙突
 ・ くまで : 汽車の前のスカート部分
 ・ 懐中電灯 : ヘッドライト
 ・ 浮き輪、ハンドル : 車輪
 ・ 腰掛 : 運転室の屋根
 ・ 額縁 : 運転室の窓
 ・ 四角い銀のトレイ : 車掌室のドア
 ・ 自転車の空気入れ : 車輪と車輪をつなぐ軸(なんていう部分でしょう?)

bar実写版映画あれこれ bar

■オープニングシーン

 ラッセルホテル。英語歌詞に出てくるホテルです。実在のホテルですが、経っている位置が違います。

 『The Egyptian』ロンドンに実在した建物 1812年に建てられ、数年後にこの名前になりました。P・T・バーナムで話題を呼んだことも。1904年閉館。

 看板に、VAUDEVILLE MUSIC HALL CAESHIRE と書かれています。
ヴォードヴィルとい劇場はロンドンに実在し、位置的にもここに近いのですが、この様な路地には面していないです。

 ピカデリー広場。ウェストエンドの中心地で、大きな電子看板とエロス像で有名です。
マキャヴィティ登場で、彼の下の看板は、モリアーティー(シャーロック・ホームズに登場する犯罪の帝王でマキャヴィティのモデルから『マキャヴィティ WANTED FOR EVRYTHING』に表示が切り替わります。一瞬です。
ピカデリー広場に面した劇場に『ねずみとり』の看板が出ています。これは、アガサクリスティの作品で、世界で最も長く上演されているものです。
ただし、『ねずみとり』は、1952年開幕なので、この映画の設定である1930年代はまだ上演していません。
ピカデリー広場に面した劇場実在し、クラリテオン劇場です。『ねずみとり』が実際に上演されたのはアンバサダーズ劇場とセント・マーティンズ劇場なので、劇場が異なります。

■グリザベラがスターだったという劇場

 グリザベラは舞台では元娼婦という設定ですが、映画では元歌手という設定です。
子供も見られる作品ということで、設定変更は分かるのですが、グリザベラがなぜ嫌われ者なのかは分かりにくいですね。
グリザベラ「Windmill Theatre」のスターだっといい、グリザベラ登場の背景にこの劇場があります。1932年~1964年と1974年〜1982年に実在しました。
「Windmill Theatre」は、ダンスホールになって残っています。
この周囲は映画で描かれている雰囲気今でも味わえます。

■ヴィクトリア

 映画では、ヴィクトリアが主役となり、捨て猫であるヴィクトリアから見た猫の世界として描かれています。

■バストファー・ジョーンズ

 バストファーの通っているクラブは、ロンドンのギャリリッククラブがモデルと監督が言っています。
舞台版では、バストファジョーンズ政治の議論をクラブでするのが大好きという設定ですが、
クラブに通うの目的はゴミ捨て場となっています。
猫らしくなってしまい。人間を猫に置き換えた意味が薄くなっている気がします。

 バストファジョーンズがラッパ飲みしている『PIPPER - HEIDSHE』は実在するシャンパンでカメオ出演です。
街中のシャンパンの看板では、『PIPPUR』なっていますが、飲んでいるのは本物と同じ綴りとなっています。
映画公開に合わせて『PIPPER - HEIDSHE』のキャッツデザインのラベル商品が販売されました。

■魔術師猫ミストフェリーズ

 映画ではアスパラガスの弟子という設定になっています。
またボンバルリーナと恋するエピソードが追加されています。

劇場猫アスパラガス

 ガスのナンバーがガスのソロナンバーに変わっています。

■ランパスキャット

 劇団四季ではアンサンブルの猫ですが、2016年ブロードウェイでは犬の戦いのシーンで活躍する猫です。
映画でも、劇団四季と同様、犬の戦いのシーンがカットに。

■オールドデュトロノミー

 オールドデュトロノミーが、雄から雌に変更となっています。
オールドデュトロのミーが女に初演でジュディでグリザベラを演じる予定だったが、けがで出られなかった幻のオリジナルキャストです。
ヴィクトリア女王即位前から生きているとありますが、ヴィクトリア女王が即位したのは1819年。映画の時代設定が1930年なので、11年以上生きているということに。
猫としては長生きかもしれませんが・・・舞台を観て思っていたほどではないですね。

アスパラガスを演じる俳優とかつて恋仲だったことにしようと話したことで、一瞬見つめあうシーンが印象的です。

■鉄道猫スキンブル・シャンクス

 鉄道猫がタップダンスに変わっています。スキンブルたちが向かうのは、ロンドンの実在のチャリングクロス駅。
このシーンで、テムズ川に沿って建っているラッセルホテルが見えますが、実際そこには現スコットランド・ヤード(ロンドン警視)と旧スコットランド・ヤードがあります。

■メモリーから続くナンバー

 ヴィクトリアが主役にあたって、ALウェバーがソロナンバーが追加となっています。メモリーの後に追加されている。
この曲は、テイラーが作詞。
オールドデュトロのミーのナンバーも追加に。歌詞はT・S・エリオット 『4つの四重奏』からの引用したものです。

■ボンバルリーナ

 テイラー・スイフトが演じています。映画『レ・ミゼラブル』でエポニーヌ役を受けた縁(キャスティングはされなかった)で、ボンバルリーナに抜擢。
舞台では二人で歌うマキャビティー曲を、映画ではソロで歌っています。
彼女が撒くマタタビのパウダーは、テイラー・スイフトの父の発案。

■マキャビティ

 映画で一番わかりやすく変わった役ではないでしょうか?
映画では、自分が天上に昇るべく、ライバルたちを消していきます。
舞台では、オールドデュトロノミーを消し去りますが、目的がわかりません。

■グロールタイガー

 舞台では劇中劇に登城する猫(演出によっては違うことも)。映画では、劇中劇ではなく、マキャヴィティによって拘束された猫を監視殺そうとします。
ナンバーは非常に短くなっています。撮影ではもっと長く歌ったそうです。
劇中劇シーンがなくなったのに伴いグリドルボーンやシャム猫軍団の登城がなくなりました。

■天井へ昇るシーン

 グリザベラが天上に登る際、舞台ではタイヤに乗りますが、映画ではシャンデリアが気球になっています。


〜個人的感想〜

 舞台から映画にするにあたって、いろいろ設定変更された部分がありますが、それぞれの理由を考えると納得できる内容です。
グリザベラが元娼婦から元歌手になってしまったのは、ファミリー層を意識したためと思われますが、グリザベラがなぜ孤独なのか分かりにくいのが残念です。

 舞台と大きく違った点は、猫と人間の線引きがはっきりした点だと思います。
例えば、バストファージョーンズが政治議論するクラブは、人間のクラブなのか猫世界のクラブなのか、人間社会の政治なのか猫社会の政治なのか、舞台ではわかりません。 映画では、ここがはっきりして、彼が出入りしているのは人間のクラブであるが、目的はそのゴミ捨て場である。
また、ガスが立っていた劇場は、人間が観客の舞台なのか、猫が観客の舞台なのか。舞台の歌詞を着ていると人間の舞台なようですが、劇中劇『グロールタイガー』の作品はどう観ても猫向けの作品です。
映画では、劇中劇がほぼなくなったので、人間の劇場なのだろうと想像できます。
これがよい変更点であると思うかは、人によって評価が分かれそうです。

 残念ながら、ゴールデンラズベリー賞を取ることになってしまいましたが、それは猫の見た目による1点に尽きると思います。
シルエットは完全な人間でありながら、CGにより表面はリアルな猫。顔も人間とも猫ともつかない中途半端です。
あと一点残念な点は、CGを駆使しているため、ダンスのすごさが薄れてしまった点です。
一流のダンサーをそろえて、ダンス自体はCGを使っていないようですが、他の動きや周囲にCGを使っているのが透けて見えるので、迫力が薄れてしまっていると感じました。


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