死後の世界。
無政府主義者ルイジ・ルキーニの裁判が続いていた。
容疑は、皇后エリザベートの殺害。
ルイジ・ルキーニは語る。エリザベートが死んだ理由は、「愛」だ。

　バイエルンの公爵令嬢エリザベートは、のびのびと大自然の中で育てられた。
ある日、お転婆なエリザベートはブランコから落ちて、黄泉の世界に迷い込んでしまう。
死神トートは、エリザベートをひと目で気に入り、生きたエリザベートに愛されたいと元の世界に戻す。
いつしかエリザベートの記憶から黄泉の世界の記憶は消えてしまう。

　オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフとエリザベートの姉のお見合いに付いていったエリザベートは、フランツ･ヨーゼフに見初められてしまう。
周囲の反対を押し切って、フランツとエリザベートを結婚する。
結婚式で大司教となって現れたのは、死神トート。しかし幸せに満ちたエリザベートは気がつかない。
死神トートの前で、フランツ・ヨーゼフとの愛と誓ったのだった。

　エリザベートは、ハプスブルク家のしきたりになじめない。
子供たちは次々と、皇太后ゾフィによって取り上げられてしまう。
療養と称してウィーンを逃げ出し、世界中を旅をする。
やがて忘れかけていた死神トートが姿を現す・・・。



≪　クライマックスからエンディングまで　≫




　エリザベートの息子ルドルフ皇太子は、父と対立していた。
ルドルフは、母エリザベートに助けてしまうが、エリザベートは冷たく突き放してしまう。
ルドルフは自らの手で命を絶ってしまう。

　ルドルフを失ってから、喪服しか着なくなったエリザベート。
スイスを旅していたエリザベートに突然、襲い掛かった男がいた。
男の名は、ルイジ・ルキーニ。
エリザベートは、ルイジ・ルキーニによって、胸を刺され、ついに死神トートの元に旅立った。